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台風第19号の接近に伴う農作物の被害対策について

台風第19号の接近に伴う農作物の被害対策について

令和元年10月8日
東京都農業振興事務所振興課

 大型で猛烈な強さの台風第19号は8日15時時点でマリアナ諸島付近を北西に進行中です。今後の進路によっては、関東地方に大きな影響を及ぼす可能性があります。これからの気象情報にご留意の上、以下の事柄に注意して、台風への対策を行って下さい。
 特に、先の台風第15号により、地盤が緩んでいる地域がありますので、対策にあたっては安全確保に十分にご留意をお願いします。
 なお、台風通過後、作物や生産施設等に何らかの被害があった場合は、区市町村やJAにご連絡いただくとともに、事後対策についてはJAや農業改良普及センターにご相談下さい。 

◇共通事項
1 気象庁の台風情報を基に、ご自分の地域に雨・風等がどのように影響するか把握し、地域の栽培品目や生育ステージに応じた対応を速やかに講ずる。
2 人命第一の観点から、台風接近時の圃場見回り等は避け、気象情報を十分に確認し、大雨や強風が治まってから行う。
3 局地的な大雨が予想される地域では、圃場の冠水や浸水の恐れがあることから、速やかな排水に備える。また、過去の冠水等の経験を生かし、土のう積み等の事前対策を講じる。
4 台風通過後の対策として、適時適切な防除を心がける。なお、薬剤を使用する際には、ラベルに記載された使用基準を遵守し、周辺への飛散防止に努めるとともに、適時適切な散布を心がける。
5 都市農地保全支援プロジェクト事業や都市農業活性化支援事業等で整備した発電機については、断水の際の防災兼用井戸への活用はもとより、停電等の際は災害対応の非常用電源として活用できるよう、準備しておく。
6 必要に応じて被害状況(施設、圃場等)を撮影しておく。

◇園芸作物全般
1 事前の対策
(1) 台風が接近する前に施設や圃場周辺の点検、排水路の清掃を行う。
(2) 温室、育苗、集荷施設等については、強風に備えて、取り付け金具の緊張、抑えひもによる固定、妻面の補強等の暴風対策に努めるとともに、飛来物による損傷を防止するために施設周辺の清掃、防風網の設置等に努める。
(3) 施設のドア・天窓等の戸締まりを確認する。
(4) パイプハウスについては、風にあおられないように、マイカー線を締め直し、筋交いや支柱を入れて補強する。施設内に農作物の栽培がない場合ビニールなどの被覆資材を事前に除去することも効果的である。
(5) 施設では、風下にあたる部分を開ける。 

2 被害拡大防止のための対策
(1) 台風が通過した後は、速やかに施設、機器の点検を行い、補修や修理が必要な場合には適切な処置を行う。
(2) 台風通過後の急激な気温の上昇に注意し、施設内の適切な温湿度管理に努める。
(3) 圃場や施設が冠水した場合は、溝切り等により、できる限り速やかに排水を行う。
(4) 冠水等により肥料が流亡した場合には、土壌診断を実施し、適正量を施用する。 

◇野菜・水稲
1 事前の対策
(1) 圃場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り、畦立て等の管理作業に努める。
また、台風による風害のおそれのある場合には、べたがけ資材の利用等により被害回避に努める。
(2) 定植後の幼苗期は、支柱等により倒伏を防止する。支柱やネットを設置している作物は、確実に固定されているか確認し、必要に応じて補強する。
(3) 播種や定植を予定している場合は、台風の通過前の作業を避け、通過後に行う。
(4) ネギ、サトイモなどは可能な限り土寄せし、キャベツ、ブロッコリーなどは寒冷紗などのべたがけ資材で覆い、しっかりと固定して強風による傷みを防止する。
(5) 収穫適期を迎えた水稲は、稲刈りを行う。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 冠水や浸水等を受けた圃場においては、速やかな排水に努める。また、土寄せ、追肥、液肥の葉面散布等により生育の回復に努めるとともに、病害虫の発生を防止するため、折損した茎葉の除去と適切な薬剤散布を行う。
(2) 果菜類(ナス、ピーマンなど)では、根傷みによる草勢低下を防ぐため、摘果や若どりにより着果負担を軽減する。
(3) カンショについては、圃場が滞水した場合、塊茎(塊根)腐敗を起こしやすいので、速やかな排水に努める。
(4) 生育初期において被害を受けた場合には、予備苗による植替えや再播種を行い、被害の軽減に努める。
(5) 園芸用施設については、できるだけ早期に施設の破損、倒壊等の点検を行い、施設内に水が侵入した場合には、換気を十分に行い土壌の乾燥を図り、施設内の湿度を下げ、病害の発生を防止する。
(6) 水稲が倒伏した場合は、穂発芽をする前に稲刈りを行う。 

◇果樹
1 事前の対策
(1) 強風に備えて事前に防風網や果樹棚支柱の点検・補修を行っておく。
(2) 倒伏しやすい樹体や主枝、亜主枝に支柱をたて固定する。高接ぎした樹では接ぎ木部分から折れやすいので添え木をする。
(3) ナシ、ブドウなどの棚栽培をする果樹は、強風による被害を防止するため、棚自体を補強し、枝を棚面にしっかりと誘引しておく。
(4) 排水が速やかに行われるよう園地周辺の集排水路の点検、清掃を行う。
(5) 収穫可能な果実はできる限り収穫し、その際、農薬散布から収穫までの経過日数に留意する。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 被害程度に応じて、折損した枝の修復、被害果の摘み取り、せん定、摘果を実施し、生育の回復に努めるとともに、病害虫の防除を適切に実施する。強風による倒伏や枝裂けが起こった場合には適切な処置を行う。
(2) 落葉が多い場合は、果実の日焼等の発生に注意し、被害程度に応じて摘果や白塗剤の塗布等を行う。
(3) 台風通過後は、一時的に高温になり、乾燥した風により葉焼け等が発生しやすくなる。このような場合は散水し、樹体温を下げるとともに湿度を維持し、被害を軽減する。
(4) 落下した果実は速やかに圃場外に搬出する。 

◇花き
1 事前の対策
(1) 露地栽培の草丈の低い花きについては、寒冷紗等で被覆する。草丈が高く支柱を立てている花きについては、支柱の点検・補強を行い、風害に備える。
(2) 圃場内の早期排水対策として、あらかじめ溝切り等の管理作業に努める。

2 被害拡大防止の対策
(1) 冠水または浸水の被害を受けた圃場においては、速やかな排水に努めるとともに、倒伏した株を早急に立て起こし、茎や花穂の曲がりを防止する。
(2) 折れた茎葉の除去、適切な薬剤散布等により、病害の発生抑制に努める。
(3) 天候回復後に、被覆資材、支柱、防虫ネット等や栽培施設の点検及び修復を行う。
(4) 生育初期において被害を受けた場合は、予備苗による植替えや再播種を行い、被害の軽減に努める。 

◇畜産
1 事前の対策
(1) 畜産施設については、損傷、倒壊等を避けるため、必要に応じて補修を行う。
(2) 大雨による畜産施設への浸水が予想される場合、明渠の施工等により排水路を確保しておく。また、畜舎への浸水等により家畜への被害が生じるおそれがある場合には、事前に避難場所を確認し、状況に応じて家畜を避難させる等の適切な処置を行う。
(3)各地域において、行政機関や生産者団体等との連携により、停電や断水等の対応を確認し、被災時には自家発電機による搾乳や生乳冷却等について、早急に対応できるようにする。
(4) 飼料の保管については水濡れ等に十分留意する。
(5) 収穫可能な飼料作物は、収穫時期を早めて、できる限り台風接近前に刈取りを行う。

2 被害拡大防止のための対策
(1) 飼料作物
① 冠水や浸水等の被害を受けた圃場においては、速やかな排水に努める。
② デントコーン等の長大作物が倒伏した場合は、品質低下を防ぐため、天候の回復後、速やかに収穫を行う。サイレージ材料とする場合は、泥土が混入しないよう配慮する。

(2) 家畜
① 天候が回復した後、直ちに畜産施設内及びその周辺の排水を行う。また、土砂が流入した場合には、再度の土砂流入等の事故に十分注意しつつ、土砂を除去する。
② 畜舎、牧柵、防鳥ネット等の施設に破損、汚染がないか確認し、必要に応じて補修、洗浄、消毒を行う。飲水に適した水の給与や飼養家畜の健康観察など、家畜伝染病予防法に基づく飼養衛生管理基準に沿った衛生管理を徹底し、家畜の伝染病疾病の発生予防措置を講じるよう努める。
③ 養分の低下した飼料作物や品質の低下した濃厚飼料の給与をする場合にあっては、栄養価、嗜好性等にも配慮し、家畜の生産性が低下することのないよう注意する。

〔担当:技術総合調整担当〕

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